仏議 5
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『こんにゃく閻魔』の寺〜 東京/文京区 源覚寺 〜 |
2010年1月15日 |
昨年秋、一冊の本を読んだ。それは、東京を中心とした古仏を紹介する本で、そこに記載されている寺院のなかに、『こんにゃく閻魔』なる閻魔大王を祀っている寺院を目にした。寺伝によれば、目の悪い老婆が、閻魔様へ、目の治癒を祈願したところ、枕元に閻魔様が現れ、閻魔様の右目を老婆に与えた。そうすると、老婆の目がよくなった。それ以来、老婆は感謝の印として、好物の蒟蒻を絶ち、閻魔様へ蒟蒻をささげたとの伝説に由来している。。。なるほど!確かに写真で見る閻魔様は右目が黄色く濁っており、この伝説にリアリティー感を肉付けしているかのように見える。。ますますこの仏様に興味が沸き、とうとう1月15日に訪問することとなった。私が訪れた当日は、偶然にも閻魔様の”ご縁日”で、早朝の本堂前にはたくさんの「こんにゃく」が山積みしてある。外から堂内を除くと、暗がりから「こんにゃく閻魔様」がどしっと鎮座しておられた。普段は、厳めしく強面で、”冥府の裁判者”である厳格な閻魔様の印象が、この寺院では、まるで観音様か菩薩様を扱うかのように祈りをささげ、その願いを成就へと導く存在でおられるのだ。平日の早朝、小さな寺域の周辺には、ひしめくようにビルなどの建物が広がっている。そんな殺風景な立地に、義理と人情あふれる閻魔様と、閻魔様でさえも義理・人情を忘れさせない人々のユーモラスをこのお寺が小さく主張しているかのように思えた。 |
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不動様のお導き? 〜 神奈川/伊勢原市 大山寺 〜 |
2010年1月16日 |
本日、不動明王の名刹「大山寺」へ向かいました。標高が1000メートルといわれる「雨降山」に位置するこの寺院は、良弁開基の古刹で、修験道の行場としても有名な寺院です。この寺院を知るきっかけは、関東不動明王霊場に興味をもってからなので、3年程前になります。関西出身の私にとって、「鉄でできた不動明王」は、その造像手段にかなり衝撃的なものを感じました。今回、その拝観したいという念願がかなって、この寺院へ参拝する機会を頂戴することになりました。小田急伊勢原駅からバスに揺られ、終点の停留所へ。停留所からケーブルカー駅までの石段はかなりあるのですが、登りきらなければならず、「ぜ〜ぜ〜」いいながら、やっとケーブル駅に到着しました。しかし、到着時間が早すぎたため、ケーブル始発時間まで、1時間待たなければなりませんでした。そこで私は、1時間まつよりも、徒歩で登ることを決意し、山道を歩みはじめました。決意は固かったものの、実際歩くとかなりキツイもので、冬の寒い季節に、上半身は汗だらけになりました。なんとか日ごろの運動不足と戦いながら本堂前まで到着すると、眼の前には長く、整然とした石段がそびえていました。最期の力を振り絞り、登りきった正面に、関東大名刹の“本丸(本堂)”が神々しく存在していたのでした。時刻は、まだ、ケーブルカーが始発する前で、寺域には一部の登山者と私しかいません。静寂のなか、本堂を背に眼下に見下ろす光景はまさに神が世の中を見下ろす世界を想像してしまうものでした。堂内で拝観を済ませようとすると、寺院関係者から本日は「縁日」であると告げられ、本堂内陣の不動様を直接拝する機会を頂戴することとなりました。内陣奥には、有名な不動様が鎮座しています。眼光が、木造の玉眼よりも異様な輝きをはなっているように見えました。三鈷剣をもつ腕の肘を少しあげているため、威圧感も加わっていて・・・。「雨が降るのをつかさどる山」なのに、登山している最中から、突き抜ける青空が続いていました。良弁様開基の寺院であること(※)といい、直接不動様を拝観できたことといい、今回の寺巡りは「このお寺に(拝観を)導かれた。」と強く感じてしまいました。 ※ 良弁様は私が住んでいる滋賀県にも所縁寺院が多く残っています。滋賀県は、良弁様との縁が深い地域でもあります。 |
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