巡礼魂!
(the sprit of pilgrimage)

仏議 1


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行基菩薩生誕の地にて〜 大阪/堺市 家原寺 〜
2009年7月13日
 京都方面から出発する『関空特急・はるか』に乗り込み、天王寺へ向かった。今日は、大阪・和泉にある家原寺へ巡礼するのが目的。通勤客がひと段落した天王寺駅で降車し、阪和線で「津久野駅」へ向かう。津久野駅から歩くこと数十分で、家原寺の看板が見えた。『智恵文殊』で知られる当寺院は、行基菩薩生誕の地としても有名。建物や寺宝は時を経る間に天災・人災で焼失することはよくあるが、その土地に根差す”信仰”の深みはその土地にどっしりと感じることができる。当寺院では、それを深く深く感じ入る。 仁王門をくぐり、本堂までの道のりに不動堂が建てられている。中を拝すると、不動明王と二童子が祭られている。 見るからにかなり古い。本堂の前で巡拝すると、文殊菩薩のお前立ちがおわした。文殊菩薩を本堂で拝するのは、舞鶴の”切戸文殊”以来、数年ぶりのこと。「頭がよくなる」「合格する」とかそのような話ではなく、仏教と信仰と、その中にある”真理を諳んじる文殊菩薩”の偉大さを改めて気付かせられた思いがした。いつも思うが、大阪(特に河内・和泉方面)は、京都よりも歴史が古く、しかしその古式ゆかしさに胡坐をかくことなく、我々に親しみやすく、生活の一部として存在し続けるように思え、滋賀県から巡拝しに来た私にも、快く迎えてくれる懐の深さをいつも感じる。若輩の私が、数百の寺院に手を合せ思うのは、この姿こそ、「寺院と信仰者」との最終的な形なのではないかと思う。


美濃有数の名刹を訪ねて 〜 岐阜/多治見市 永保寺 〜
2009年4月19日
久し振りに東濃地方へ巡礼することにする。岐阜県は私が住む滋賀県の隣に位置するのだが、美濃の  東
方へは距離があるため、なかなか足が向かない。今回は東美濃に臨済宗の名刹があるという情報を 聞きつ
け、重い腰を上げることとなった。季節はまだ春というのに、初夏のように暑い。中央道多治見インター を出
て、直ぐのところに寺院はあった。禅宗特有の三門はなく、寺域に入るには、一旦丘のような高い場所から、
下らなければならない。以前、京都の泉涌寺を拝観の折、同じく山門から下る場所に仏殿があったため、 
『仏様を見下ろすため、昔は、この山門から入れなかった。』と聞き及んだことがある。特にそのような様式に 
拘らない雰囲気は、この寺院のせいか、あるいは禅寺のせいか・・・このようなことを考えながら、坂をくだると、
一面に整然とした寺域が広がる。際立つのが、寺域の中央にある国宝の観音堂で、葺き屋根の先端が

まるで鳥が羽を広げたかのように美しい。その周辺には池が存在し、観音堂の前から太鼓橋が架けられていた。観音堂の背面は、
大きく聳えた岩肌が見え、全景はまさに絶景というしか言葉がでない。かつて、夢想礎石がしばらく滞在していた寺院で、
すばらしい庭も夢想礎石が作ったものらしい。。。そういえば、「この庭に”京都の禅寺”に引けを取らない佇まいがあるのは、このためか!」〜
と納得した。

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