巡礼魂!
(the sprit of pilgrimage)
 
 鳳凰山 甚目寺
(拝観日:平成24年11月24日 愛知県あま市甚目寺東門)


  ◇ 宗 派:真言宗智山派
  ◇ 本 尊:聖観世音菩薩
  ◇ 縁 起:推古天皇5年(597年)、伊勢国の漁師である甚目龍磨が漁をしていたところ、    
         当時海であったこの地付近で観音様が網にかかり、その観音像を近くの砂浜    
         にお堂をたてお祀りしたのが最初という。この観音像は、敏達天皇14年に、      
         物部守屋中臣勝海の手によって海に投げられた3体の仏像のうち1体(聖観音)   
         といわれている。残りの2体のうち、阿弥陀如来は善光寺、勢至菩薩は安楽寺    
         (太宰府天満宮)にあるという。


 (秘仏像データ)
   秘  仏 名:十一面観世音菩薩
   開帳頻度:50年に1度
   開帳時期:平成24年11月23〜11月25日まで

晴天に恵まれ、2度目の甚目寺巡礼に向かう。前回は、秘仏ということもあり、外陣より拝観し、早々に引き揚げたが、今回は秘仏開帳という機会を

得、意気揚々と当院へ訪問する。当院周辺は車や人々の群れで、ごった返していた。自動車で拝観した私も、駐車場に止めることができず、困惑した

が、付近の商工会議所の駐車場に臨時で駐車でき、いよいよ寺院の中へ入る。本堂横に列をなして並んでいる人々がいる。直接拝観したい者はそこ

で順番を待っているらしい。列の中で待つこと30分、やっと拝観券を購入し、拝観できる列に並びなおす。まもなく拝観案内があり、本堂内の内陣へ入

る。入り口で抹香を手に受け、渦上に列が進んでいく、暗い回廊をわずかなともしびで歩くと、本堂内内陣へ入る。そこからも拝観者が列をなしており、

本尊周辺に到着したのは1時間を過ぎる頃だった。本堂脇の愛染明王を眺める。今回の御開帳とともに秘仏とされている愛染様は愛染明王としては、

比較的大きな仏像で、目視で120a程度。典型的な愛染様で特筆すべき点はない。愛染様の前を通り、十一面観音様へ向かう。情報によると、首

から下が木造で、頭部は奈良時代の木芯乾漆像という珍しい造像。明治初期に火災にあい、首から下を補修したとも言われている。本像の胎内に

は、本尊の聖観音様が安置されているという。奈良時代の乾漆像と言えば、奈良に集中しているが、まれに地方でも岐阜美江寺に代表されるように、

存在している。しかし、その像様は地方仏のためか独自的な作域が垣間見える。今回初対面となる十一面様も独自的な像様をしていた。顔は白く眼

は三日月型で、静かに目を開けているというよりかはむしろ、困惑しているような面持ちを感じる。あごのラインと首の境目が薄く、首から下の方が異常な

程なで肩。後補が原因かもしれないが、私が知っている仏とは、像様も雰囲気も”異様”な感じがした。三井寺にある新羅明神を拝している。畏怖感

の非常に強いまるで、”祟る神”のように感じ取れる。貴重な体験であったが、秘仏を見たあとの達成感のような感覚は特になかった。

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